【書評】俺たちは本当のポモドーロ・テクニックを知らない〜どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る ポモドーロ・テクニック入門〜
🤓はじめに
「どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る ポモドーロ・テクニック入門」を読みました。
「ポモドーロ・テクニック」って知っていますか?
「25分の作業」「5分休憩」「25分の作業」「5分休憩」・・・を繰り返して作業をするやり方の事です。
「ポモドーロ・テクニック」については、私もネット上で得た断片的な知識だけ知っていました。
しかし、この公式本を読むと、本当の「ポモドーロ・テクニック」の目的がネット上の情報では抜け落ちている事がわかりました。
どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る ポモドーロ・テクニック入門
- 作者:フランチェスコ・シリロ
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2019/03/23
- メディア: Kindle版
🐼読んだきっかけ・理由は?
「時間術大全」で一日のハイライトを決めて集中する習慣は身についてきたました。
【書評】「時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」」を読んでスマホのアプリを消しまくった - もやぶろ
が、ハイライト以外は適当で良いかというとそんな事はなくて、仕事は仕事でしっかり集中してやりたいな〜と思いつつ、なかなか持続しない悩みを持っていました。
そこで、「ポモドーロ・テクニック」の概要は知っていた(つもり)だったのですが、初の公式本という事で、ちゃんと勉強してみよう、と思いました。
👆この本の概要
👆概要
世界中のエグゼクティブが実践する「ポモドーロ・テクニック」。先延ばしを減らし、生産性を改善し、時短化する。「ポモドーロ・テクニック」開発者による初の公式本!
Amzonの紹介文より引用
です!ポイントは公式本という事ですね。
テクニックなのでやり方がメインではありますが、何かに本気で取り組もうとする時、技術だけではなく、その背景になる思想について理解する事はとても大事です。
この本は「ポモドーロ・テクニック」の開発者自らが書いているだけあって、このやり方の背景・目的についてしっかり書かれています。
また、「25分の作業」「5分休憩」・・・だけではなく、これを継続して改善していく方法、チームに適用する方法、といった、より発展的な内容についても述べられています。
🤓作者さん
フランチェスコ・シリロ Francesco Cirillo
コンサルタント、起業家。少ない時間と労力でより良い結果を達成する時間管理術「ポモドーロ・テクニック」の開発者。「ポモドーロ・テクニック」は効率性と生産性を上げる方法として、世界中のエグゼクティブに広まっている。ソフトウェア業界の最前線で20年以上働き、現在はソフトウェア企業、多国籍企業、起業家などのコンサルタントを務めている。
Amzonの紹介文より引用
ソフトウェア開発のバックグラウンドをもっている方です。
「ポモドーロ・テクニック」はソフトウェア開発だけに適用されるものではないけれど、やっぱり向いている作業と向いていない作業があると思うよ。
集中してクリエイティビティをもって行う作業にはとても向いている一方、同じ作業を続けるような作業にはあまり向いていないかな?
でも勉強や、確定申告みたいな頭をしっかり使わないとできない作業には何でも使えるので、どんな人にも役に立つんじゃないかな。
適用例として、ソフトウェア開発の現場での応用例が良くでてくるので、IT業界の人はよりわかりやすいと思います。普段馴染みが無い方は、ちょっと想像がしにくいかもしれません、、、
⏳所要時間
1時間くらい。さっくり読めます。
🙆♂️どんな悩みを持つ人にオススメ?
- 集中して作業したい
- ついTwitterを見たり、Lineを見たりしてしまう
- 他の人から仕事中相談を受けるので、自分の作業が中断してしまう
- いつも作業見積もりが甘くて、予定よりかかってしまう
- 安定して成果を生み出せるようになりたい
🙅♂️逆におすすめしない人
- 体力も集中力もあって、いつも最高の結果を出し続けている
- テンション高い時に一気にやって、やる気が出ない時はとことん休むスタイルが好き
🤔読むと得られること
「自分のやりたいことをやりたいように成し遂げ、仕事や勉強の成果を継続的に高めていけるように、時間を価値ある味方にする」
「自己観察を通じて仕事や勉強のプロセスを高める」
本文より引用
📖同じジャンルの本との比較
- 作者:スティーブン・R.コヴィー
- 出版社/メーカー: キングベアー出版
- 発売日: 2013/08/30
- メディア: ハードカバー
比較というわけではないですが、「ポモドーロ・テクニック」には優先順位をつける、という手順があります。
この本の中ではあまり詳しく書かれていませんが、何の優先順位を高くするか考える時に、上記の2冊は役に立つと思います。
基本、緊急度ではなく重要度で並び替えるのが大事です。
😺本から学んだこと・ココロに残った言葉
「ポモドーロ・テクニック」の概要🍅🍅🍅🍅
本の書き方とは違いますが、自分なりまとめてみました。
①ポモドーロ🍅は分割できない
「ポモドーロ(イタリア語でトマト。トマトのキッチンタイマーを使った事からこの名前がついた)」は25分集中して作業する + 5分休憩、というサイクルの事です。
この25分の間は基本的に、やると決めた事以外はやりません。
- 25分で終わらなかった場合 -> 次のポモドーロ🍅でやる
- 速攻で終わってしまった -> そのポモドーロ🍅はなかった事にする
- 何かしらの理由で作業が中断した -> そのポモドーロ🍅はなかった事にする
休憩 🛌
しっかり休憩を取ることも超大事です。休憩については何度も述べられています。
- 休憩時間中は手を止めるだけではなく頭も休める。仕事の事を考えない。ちゃんと休む。
- 高い能率を維持するためには休憩が必要。休憩込みでペース配分をする。
あと数分で終わるから延長、とかしちゃだめです。25分たったら強制終了です。
ちなみに休憩時間は、4ポモドーロ🍅が終わったら長めの休憩が推奨されていますが、最適な長さは各自で調整して良いようです。
私はかなり体力が無い方なので、元々休憩についてはすごく意識していたのだけど、休憩がしっかりとやり方に組み込まれているのはすごくいいね。
本当に集中して作業し続けようと思ったら、短い休憩(ポモドーロ🍅ごと)と、長い休憩(日単位。睡眠とか)をしっかりとコントロールしないといけないよ。
どうしても忙しかったり締め切りがあって、休憩を取る暇も無い時はあるけど、そんなやり方で成果が出るのはせいぜい一ヶ月だし、命削ってるからほんと良くないと思うよ。
作業の中断に対処する
最初にやると決めた以外の事はしません。でも、色々ありますよね?そこでどうするかですが、後からやる事リストに書く、という作戦を取ります。
例えば、Twitterが気になってしまった場合は、後からやる事リストに「Twitterを見る」とリストに書きます。
で、基本的に25分の間にTwitterは見ません。なぜなら25分後に見てもそんなに困らない事がほとんどだからです。もし見てしまったらそのポモドーロは終了です。
また、外から電話が来て話した場合も同様です。もし後から掛け直しができるなら(基本こっちで対応)後からやる事リストに追加して、その場で電話位に対応するのはやめましょう。ここの判断をするのはポモドーロテクニックに入るので、ポモドーロ🍅は中断しなくて大丈夫です。
でも、本当に緊急の要件で電話に出てしまった場合はポモドーロは終了です。(途中で終了してしまった事も記録に残しておく)
最初のTwitterの例は「内的中断」、後者の電話の例は「外的中断」として説明されています。
「内的中断」は時間術大全の無限の泉が含まれていますね。
大事なのは、ここでポモドーロを継続できたにせよ中断してしまったにせよ、しっかりと記録しておくことです。(後述)
「受け入れた上で穏やかに対処する」と述べられていますが、記録するだけでけっこう満足したりするものです。
②見積もりをして計測する
ただポモドーロを使って作業をするだけでは、本当の「ポモドーロ・テクニック」にはなりません。
「ポモドーロ・テクニック」を調べた時に出てくる情報は、ほとんどが↑の①の情報ですが、こっから先がこの本の良いところです。
まず、作業を開始する前に、今日やる事リストをつくります。場合によってはこの作業に1ポモドーロ🍅を割り当てても良いです。
- 基本的には重要なものからやる
- それぞれに何ポモドーロ🍅で終わる予定か、見積もりを立てる
- 1ポモドーロ🍅に満たない細かい作業は、複数作業をまとめて1ポモドーロ🍅になるようにする
- 5〜7ポモドーロ🍅を超えるものは分割
そして、実際にかかったポモドーロ🍅数、中断したポモドーロ🍅、後でやる事リストを記録しながら作業をします。場合によっては途中でやる事リストを修正してもOKです。
こうしてできあがった、ポモドーロ🍅をベースにした「一日の予定」と「実測結果」を見比べると分かってくる事があります。
例えば、
- 見積もりよりもたくさん時間(ポモドーロ🍅)がかかる
- 逆に予定よりも早く終る(という人は少ない気がしますが
- 中断が多すぎ
- 中断する理由はXXXX
- 中断しないけど、中断したくなる誘惑が多い
という事がわかります。
ここまでわかると、これをもとに改善をする事ができます。
ポモドーロ🍅という明確な基準を作ることで、改善し続けられる事が「ポモドーロテクニック」の真骨頂だと思うよ。
個人的にやってみた感想
- 思いつきや横入りのタスクは基本的にやらないルールなので
- 決断する回数が減る->決断疲れが発生しにくい->1日の最後まで能率が起きにくい
- 重要度ではなく緊急度で作業の優先度をつけてしまう癖を矯正できる
- 作業が遅れがちという悩みをずっともっていたのだけど、ポモドーロ🍅を使うと、予定より2倍くらいは平気で時間を使う事が明確になった
- 1ポモドーロ🍅30分という単位は見積もりをするにも、作業をするにもちょうど良い単位で、良くできてる
- 締切が無いと無限に完成度を求めて時間を使っちゃうので、必ず見積もりをする、という癖(というかルール)がつくのもすごく良い
- 25分だけ、と考えると意外と集中できる
- 本当に集中してやると、めっちゃ疲れる。普段いかにだらだらやっていたか、、、
その他所感
- ゼンマイ式のキッチンタイマーがおすすめされているけど、自宅以外では使えないと思うので、パソコンのソフトがbetterだと思う。スマホはLineとか見ちゃうからダメ。
- チームで応用する例も紹介されているけど、単純にルールが複雑になっちゃってうまくいくイメージが沸かなかった
- でも会議で25分ごとに5分休憩とかはシンプルで良い気がする。だらだらやっても集中力切れちゃうからね
まとめ
何かに集中して取り組む方法の一つとして、具体的でやりやすくておすすめです。
一方で、1日の大半をこのやり方でできる人とできない人がいるので、☆5にはできないかな。
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どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る ポモドーロ・テクニック入門
- 作者:フランチェスコ・シリロ
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2019/03/23
- メディア: Kindle版
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- 作者:スティーブン・R.コヴィー
- 出版社/メーカー: キングベアー出版
- 発売日: 2013/08/30
- メディア: ハードカバー