【書評】「CAREER SKILLS」はこれからエンジニアを目指す人と今エンジニアの人にもおすすめ 〜ソフトウェア開発者の完全キャリアガイド〜
はじめに
「CAREER SKILLS ソフトウェア開発者の完全キャリアガイド」を読みました。
すごく良い本でした。今エンジニアの方、エンジニアをこれから目指そうと思う方におすすめします。 定期的に読み直したいな、と思う本でした。
CAREER SKILLS ソフトウェア開発者の完全キャリアガイド
- 作者:ジョン・ソンメズ
- 出版社/メーカー: 日経BP
- 発売日: 2018/07/10
- メディア: Kindle版
この本の概要
作者について
この本の前作にあたる「SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル」を伊藤淳一さんが読んでいて、その中でまとめていただいています。 (私は前作は読んでいないです)
元々会社勤めのエンジニアで、今は講演やyotuubeの動画、コンサルで活躍しているそうです。
この本について
サブタイトルが「ソフトウェア開発者の完全キャリアガイド」となっている通り、特定の技術にフォーカスするのではなく、ソフトウェア開発者がエンジニア(プログラマー?開発者?言い方は色々ありますが、私は普段エンジニアという言葉を使っているので)としてキャリアを始めてから伸ばして行くためのノウハウ、ヒントをたくさん教えてくれる本です。
全部で5部、合計60章の構成になっています。
- 第1部 ソフトウェア開発者になる方法
- 第2部 就職する方法
- 第3部 ソフトウェア開発の必須知識
- 第4部 ソフトウェア開発者の仕事
- 第5部 キャリアの伸ばし方
このうち、第1部〜第3部はこれからエンジニアを目指す方向け、第3部〜第5部は(かぶってます)既にエンジニアの方向けだと思います。
感想とか
これからエンジニアを目指す方向け
最近エンジニアを目指すの流行ってますよね(私自身もたまに友人から相談を受けたりします)。そういう方は是非第1部〜第3部を読んでほしいです。
ベースがアメリカなのと、多少古い情報があったりしますが、右も左もわからない状態でエンジニアという仕事、業界を俯瞰するのに十分な情報が詰まっていて、具体的にエンジニアになるため、就職するためのノウハウも扱っています。 私が知る限り、この観点で情報を広くまとめて提供してくれる資料には出会ったことが無いです。
身に付けないといけない技術や業界知識の量はたくさん書かれていますが、実際ほぼこの通りだと思います。
- 「どうやってエンジニアになればいいですか?」
- 「どうやって勉強すればいいですか?」
- 「何を勉強すればいいですか?」
- 「今からでもエンジニアになれますか?」
というよくある質問に答えてくれます。
他業種の方でも、「エンジニアは何やってるかわからん!」という悩みを抱えている場合は(大体そうらしいですね、、、)役に立つと思われます。
今エンジニアの人向け
第1部〜第3部
- 今の業界を俯瞰して眺めて漏れを確認する
- メンター等になって経験が浅い方に教える環境になった時
- 友人からエンジニアの仕事について質問を受けた時のうまく説明するネタとして
的な使い方ができます。思えばたくさん身につけてきたものだ、、、、と私は思いましたw
第4部の「ソフトウェア開発者の仕事」
は実際の現場で成果をあげ、給料をあげる(成果をあげているのが前提。ごますりでは無い)ノウハウが書かれています。
同僚、上司とのうまい付き合い方、自分の成果の上手なアピール、昇給/昇格へのつなげかたなどなど、、、
(自分の事は棚にあげて)エンジニアは技術以外に興味がなさすぎて、単純に損してるいる人が多いように自分は思います。(自分の事は棚に上げて。(大事な事なので2回め)) 自分はすごく良い仕事をしているのにちゃんと評価されていない!と感じているなら、第4部を読むとヒントがたくさん見つかるでしょう。
第5部 キャリアの伸ばし方
自身の評価(会社ではなく社会からのという観点)の高め方・戦略、考え方について述べられた部です。
第4部までに比べると、絶対的な正解が無い分野だとは思いますが、 勉強会へ取り組み方、ブログへの取り組み方、キャリアについての戦略の立て方等、具体的に役立つノウハウも詰まっています。(ちなみに私が最近ブログ頑張って書いてるのはこの本の影響)
心に響いたところ
ワークライフバランス
「ワークとライフの境界をあいまいにして、すべてが「生活」になるようにすること」と述べています。
ワーク(仕事)とライフ(日常生活)を分けるのではなく、ずっと仕事だけをするのでもなく、ワークもライフも自分でコントロールしようという趣旨です。
私自身、フリーランスになってから、同じような考えで生活を送っていて、「そうそう、そういう事だよ!」という言葉でした。
私は今の仕事が好きですが、他にも好きな事がたくさんあります(このブログの雑多感に現れている、、、)。仕事もしたいし、本も読みたいし、旅行もしたいし、音楽もやりたいし、健康にも気を使って過ごさなければいけないです。それぞれのバランスを適宜自分でコントロールできているのは、サラリーマン時代にはできなかった事で、満足感が高いです。(フリーランスにはフリーランスの悩みがあるので、フリーランス最高!というわけではないです)
対人との付き合い方
この本の中では自分以外の他人、他人からの評価についてたくさん書かれています。
- 「プログラマーのキャリアの大半は、チームでほかのメンバーと共に今日動作魚を進めることに費やされる」
- 「あなたは世界最高のプログラマーになれるかもしれないが、同僚とうまく付き合っていく方法がわからなければ、職場で惨めな思いをするだけでなく、本来の力を発揮することもできないだろう」
- 「あなたが世界最高のプログラマーになっても、あなたが地下の自室にひとりで籠もっていて、誰もそのことを知らなければ意味がない
といった、言われればその通りとしか思えない言葉が並んでいますが、それを踏まえて自分が行動してきたか(仕事の仕方とか勉強してるかとか)と言うと、全くそんな事ないですねw
まずは筆者のおすすめに従って、↓を読むことにしました。
キャリアの伸ばし方
筆者自身は「ガラスの天井にぶつかった」と自身のキャリアの伸び悩みについて表現していますが、私自身もそれを感じる事があります。 そこを打破するヒントが第5部にたくさん書かれています。
「ゼネラリストかスペシャリストのどちらを目指すべきか」、についてはT字型のスキルを目指すべき、と述べていて私も同意なのですが、色々できるけどこれなら誰にも負けない!というスキルを持たない私なので、ここは耳が痛いところです、、
というわけでちゃんと計画的に自分のスキルとキャリアを伸ばしていかないとダメだなぁ、、と思いました。(思うだけじゃダメとも筆者は言ってる)
まとめ
観点が他の本にはない事、網羅性が高い事から、定期的に読み直すと新たな発見があるような、とても良い本だと私は思いました。 私自身がエンジニアとしてのキャリアが既にありますので、後半は響きました。
知っておいた方が良いのに抜け漏れていた知識を補完するとともに、今とこれからのキャリアを考える上で、すごくヒントが詰まったおすすめの本です。
CAREER SKILLS ソフトウェア開発者の完全キャリアガイド
- 作者:ジョン・ソンメズ
- 出版社/メーカー: 日経BP
- 発売日: 2018/06/22
- メディア: 単行本