【書評】「小さなチーム、大きな仕事 働き方の新しいスタンダード」を読んで今始めよう
🤓はじめに
「小さなチーム、大きな仕事 働き方の新しいスタンダード」を読みました。
小さなチーム、大きな仕事 働き方の新しいスタンダード (ハヤカワ文庫NF)
- 作者:ジェイソン フリード,デイヴィッド ハイネマイヤー ハンソン
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2016/12/15
- メディア: Kindle版
🐼読んだきっかけ・理由は?
参加した勉強会で紹介されてたから。
(前々から存在は知ってたのだけど、なんかきっかけが無くてスルーしてました。)
👆この本の概要
大きな仕事をするために大きなチームなんて必要ないよ!
👆概要
会社は大きいほうがいいなんて幻想だ。高価な広告、営業部隊、オフィス、いや、会議も事業計画もいらない。小さな所帯で、シンプルに、迅速に、臨機応変に。 Amazonでの紹介分より引用
仕事で大きな成功を収めるためには、たくさんの人を集めてたくさんの予算を使わないといけない。そんな風に思ってませんか??
「実はそんな事ないんだぜ!」
というテーマで、実際の経験を元に濃縮されたエッセンスを伝えてくれる本です。
🤓作者さん
世界的スタートアップ、ベースキャンプの創業者とカリスマ開発者が、インターネット時代の仕事術を伝授するビジネス書の新スタンダード。 Amazonでの紹介分より引用
スタートアップ界隈だと、ベースキャンプよりは「37signals」の方が馴染み深いかもしれません。(私もそう
Webサービスと製品の開発/運用をしている会社ですが、サービスはあまり日本で使われているのは聞いたことなくて、どっちかというとWeb開発用のフレームワーク(開発する時にベースとなるテンプレライブラリみたいなもの、というと語弊があって叩かれそう、、)のRuby on Railsを作った会社の方が有名かと思います。具体的にはDavid Hinemeier Hanssonさん。DHH。
※ちなみに翻訳だと「ルビーオンレイルズ」とカタカナに訳されてて最初はなんのこっちゃと思いました。
アメリカのIT会社と聞くと、すごい勢いで会社を大きくして、資金調達したり、上場したり、なんかわっしょいわっしょいみたいなイメージがありますが、その逆を行くことを(結果的にですが)強く意識している会社です。
その考えとか知見を公開したのがこの本!
⏳所要時間
1時間くらい。さらさらっと読めます。
🙆♂️どんな悩みを持つ人にオススメ?
この本は、ビジネスを始めようなどと夢にも思ったことのない人から、すでに会社の経営に成功している人までを対象にした、一風変わったビジネス書だ。 本文より引用
なので、お仕事してる人なら誰にでもおすすめできる本です。会社、サービス、プロジェクトみたいな大きな規模じゃなくて、自分のチーム、自分の個人的タスクについても参考になると思います。
具体的には
- バリバリの起業家
- ビジネス界のやり手
- スタートして、リードして、勝ち残るために生まれたと感じている人たち
- ちょっとした小さなビジネスを運営している人
- ハードコアなビジネスマンではなくとも、生活の中心にビジネスがある人
- より多くのことをこなし、より賢く働き、より良い仕事を求めている人
- 日々まじめに仕事をしながら、いつも自分の夢を追いかけたいと思っている人たち
- 自分の仕事は好きだが、たぶん上司のことは好きじゃない。あるいは単に飽きていて、自分の好きなことをして稼ぎたいと思っている人
- ひとりでビジネスを始めたいなんて考えもしなかった人たちのための本
という事で、大体みんな当てはまるんじゃないかと。
🙅♂️逆におすすめしない人
あまりないですが、強いて言うなら、「巨艦大砲主義を追い求めたい信念を持つ人」かな、、、
🤔読むと得られること
- 自分も何か始めてみよっかな!という気になります
- その後本当に始めるのが大事
- 大事じゃない何かをやめて身軽になろうと思います
📖同じジャンルの本との比較
比較できる本思いつかず
😺本から学んだこと・ココロに残った言葉
この本が主張するように、本文についてもできるだけシンプルに、余計なものを削ぎ落としてあるので、引用し始めると全文みたいになっちゃいます。なので本当に一部分だけ。
今やる
いつやるの、今でしょ!
仕事のはずみを保ちモチベーションを上げるには、目標に向かって小さな勝利を達成し続ける習慣をつけることだ。
何か本当にしたいことがあれば、他にやることがあろうとも時間を作る。残念なことに、多くの人はそれほどではないのだ。そして彼らは時間を言い訳にして自尊心を守ろうとする。言い訳してはいけない。夢を実現するのは、完全にあなたの責任なのだ。
何かしたいことがあれば、今しなければいけない
制約は見方を変えれば武器である。資源が制限されると、それでなんとかしなければならなくなる。そこには無駄の余地はなく、創造性が求められるのだ。 あれがない、これがないと嘆く前に、今自分ができること何なのか考えてみよう。
とにかく「今やる」というテーマは何回も出てきます。
「そんな事いっても〜忙しいし〜」「お金もスキルも無いし〜」「何していいかわからないし〜」
という言い訳になりそうなものをばったばったと切っていきます。(そんな論調では無いですが)
これを実現するために色々なtipsも紹介してくれています。
- あなたに必要なものを作る
- 必要なものは思ったより少ない
- 身軽でいること
- 芯から始める
- 初めのうちは詳細を気にしない
- やることを減らす
- ツールよりも中身が大事
- やめた方がいいことを考える
- 解決策はそこそこのもので構わない
- 小さな勝利を手に入れる
- 小さな決断をする
- 競合相手以下のことしかしない
- 競合相手が何をしているのかなんて気にしない
めっちゃありますね!!やらない理由がなくなるくらい多方面から色々と。
とにかく小さく始めて、小さな決断をし続けて、小さな勝利(成功)を手に入れ、本当に大事な事以外はできるだけ削り、やらない。
制約によるクリエイティブ
これは余談ですがご紹介したかったので、、、
私が好きな作曲家さんで、杉山勝彦さんがいらっしゃるのですが(むか〜しちょっとだけ一緒にやらせてもらったのは自慢ですw)、彼もインタビューで言っていました。
たとえば中島美嘉さんの『一番綺麗な私を』(2010年)は、最初に「メロディは5音、ペンタトニック・スケールしか使わない」と決めて作りました。制限を設けたほうが、クリエイティビティーが上がるというのはよくあることだと思います。
Ruby on Railsとの関係について
Ruby on Rails は、極少人数(理想は一人) がサービス開発するのに理想的なフレームワーク
スタートアップ界隈で使われる事が多い(今の所は事実上のデフェクトと言って良いと思います。)RoRですが、この文脈を理解する事で価値を見直しました。
サービスの初期構築はすごく早い代わりに、開発・運用を続けていると非常に辛くなりがちなのは、組織規模をどんどん拡大する事が、初期コンセプトと合ってないからだったんですね。
辛みの経験が先行していてRoRは避けたい気持ちが強かったのですが、個人開発的なプロダクトなら積極的につかっていこうと改心しました。
※長く、色々な人たちに使われて開発され続けていて、大規模開発でも全然使えるのですが、完全に個人的な経験、好みからくる主観的な意見です
まとめ
おすすめ度 | |
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文庫本で安いのも👍
小さなチーム、大きな仕事 働き方の新しいスタンダード (ハヤカワ文庫NF)
- 作者:ジェイソン フリード,デイヴィッド ハイネマイヤー ハンソン
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2016/12/15
- メディア: Kindle版
📚合わせて読みたい
- 作者:エリック・リース
- 出版社/メーカー: 日経BP
- 発売日: 2012/04/12
- メディア: 単行本